コロナ禍から人口減少時代を見る

政府が「勝負の3週間」と銘打って対策に乗り出したが、
新型コロナウィルスの感染者数が一向に減らず、Go to トラベルの一時停止が決まりました。
この先緊急事態宣言も取り沙汰されています。
コロナの我々に与える影響も徐々に明らかになり、警戒心が薄れてきた状況の中でここに来て第三波と言われる状況になり、医療体制の逼迫から政府も新たな対策に乗り出したようです。
今年の年末年始は移動が自粛され今までにない姿となりそうです。

今年はコロナに始まり、コロナに終わる一年となり、日常生活にも大きな影響を与え、一挙にビジネス環境も変化してきました。
リモートワーク、テレワークなど新しい日常が始まりました。
市場が縮小し、給付金、補助金行政がなんとか当座の景気を持ち直そうとしていますが、
多額の補正予算が使われています。

そんな時代に、河合雅司さんの『未来を見る力』に目にしました。
これからの日本はどうなっていくのか、
人口をめぐる変化、
現在の状況から働き手世代が激減してくる中で
「人口減少を前提とした社会へのつくり替え」が求められています。

国民の関心は差し迫った感染拡大の防止や経済対策に集まっています。
感染防止のための人と人の接触を減らすことが「ニューノーマル」となり
消費が大きく消失しましたが、
これが今後の人口減少時代の国内マーケットの縮小の前哨戦となるかもしれません。

彼は「戦略的に縮む」ということを提唱しています。
戦略的とは何を捨て、何を残すかを判別すること。

そして
人々が自分の「居場所」と」「役割」を見つけ、
生きる喜びを噛みしめられる社会の実現をうたっています。

以下は最後に収められた
「未来を見る力」を手に入れる10の思考法

(1)少子高齢化・人口減少を前提として考える
   人口減少が社会にどう影響しているのかという視点を持つ

(2)過去からの延長線上に「未来」を見ない
   常識や成功体験を、一旦否定した上で考え直す

(3)人口減少の影響を自分のライフプランに書き込む
   年齢によって関心事は変化する。いつ頃、どんな影響を受けるか考える

(4)外国人やAIといった“不確定要素”に頼りすぎない
   外国人や画期的な技術は思惑通りにならないこととして位置づける

(5)「戦略的に縮む」発想を持つ
   捨てるものと残すものを選別し、残すと決めたものを活かす方策を探す

(6)人手不足は「国内マーケットの縮小」として捉える
   働き手世代は消費の中心でもある。内需依存は行き詰まると認識する

(7)量的拡大路線と決別し、「質の向上」を優先する
   薄利多売のビジネスモデルは破綻する。付加価値を高めることを考える

(8)人口の多寡で優劣を競う発想を捨てる
   自治体同士の住民の争奪戦は不毛だ。小さくとも魅力的な街を目指す

(9)居住エリアと非居住エリアを区分する発想を持つ
   地域ごとに集まり住み、生活に必要な機能を残すことを考える

(10)政府や自治体に安易に依存できないと覚悟する
   自助自立を基本とし、住民同士が助け合う発想を持つ

目次
第1章 令和の時代はどうなるか――イオンやアマゾンが使えなくなる日
第2章 こんな考え方はもはや通用しない
第3章 マーケットの未来を見る力
第4章 地域の未来を見る力
第5章 コロナ後を見る力――「変化の時代」というチャンス
むすびにかえて――自分の手で未来を変えよう