園児の成長のための空間を創り出す

鳴門市を訪れた機会に増田友也先生の幼稚園の作品を
地元の建築士会のくすのき建築研究所の福田頼人さんに案内にしてもらいました。
1970年代に建てられた学校建築ですが、過疎化するなかですべて廃校あるいは休校になっていました。
時間の都合で、鳴門市の幼稚園7棟の内の3つしか廻れませんでしたが、
小学校に寄り添った小学校と一体感のある建物でした。

北灘西幼稚園
北灘西幼稚園遊戯室

どの園も中心にゆったりとした遊戯室(ホール)を配し、
その周りを職員室と保育室がぐるりと囲むという構成がベースとなっています。
園児たちが遊び回ったり、あるいはニッチな空間で落ち着いて考える場所としての
「隅っこ」のような場所がところどころに設えられています。
いまは道具が置かれたりしていてやや雑然としていますが、
当時の生活の雰囲気がはっきりとイメージできるようです。
こんな幼稚園ならすてきだなあ!

瀬戸幼稚園外観
瀬戸幼稚園ユーティリティ
瀬戸幼稚園内部

どの幼稚園も保育室はすべて園庭に面しています。
そこからすぐに屋外に飛び出していけるし、
内と外が有機的に融合している和風建築の特性が生かされています。
われわれ、園児も同様に建築空間の影響を受けながら成長してゆきます。
「深く考えて元気よく遊ぶこと」ができる空間の構成が隅々まで尽くされているようです。

ガンダムのような島田幼稚園

島田幼稚園は島田小学校との一体型建築で、校舎1階の左半分が幼稚園。
幼稚園の玄関は手前に見えている「ヤマモモの木」の右隣に設けられています。
右端に見えるのは小学校の玄関で
玄関から最上部の体育館まで、屋内階段が一直線に伸びています。
そしてその先に体育館が待ち受けています。