人口減少社会「ダブルの縮小」

いまや日本が少子高齢化の減少社会にあることは、誰もが知るところです。
4月20日に総務省から発表された日本の推計人口(2023年4月概算値)は、
1億2447万人で前年同月比で60万人減少(▲0.48%)



『未来の年表 業界大変化』河合雅司 著で学ばせていただきました。

結婚や妊娠・出産に対する価値観の変化や経済状況がもたらした結果でしょうが
現在の人口構成が横にすべるだけでこの減少傾向はずっと続くことは如何ともしようがない。

人口減少が、ビジネス経済面で与える影響の大きなものは、
・1つはマーケットの縮小
・もう一つは人手不足

特に高齢者の割合が年々高くなってきており、
私もそのうちの一人ですが、若い頃のように消費しなくなってきています。
食べる量、飲む量は少なくなってきていますし、ファッションやものに対しても、物欲があまりわかなくなってきています。

今後の日本は、実人数が減る以上に消費量が落ち込む
人口減少とともに所有欲の減少という「ダブルの縮小」に見舞われると思われます。

それに対して著者は、
戦略的に縮む」という成長モデルを提案されている。

「日本が人口減少に打ち克つには、どうしたらいいのだろうか?
 答えは、経済成長が止まらないようにすることだ。」と

消費者も勤労世帯も減っていく
消費量の落ち込み
物理的、機能的に廃墟と化した施設、老朽化した社会インフラ
対応する人材不足

これらに対応するために
集中」と「特化」をキーワードに
各企業が成長分野を定め、集中的に投資や人材投入を行い、
技術、アイデア、オリジナリティで
現状維持バイアスを取り除き、社会の変化に応じて発想する。
そこから違った未来が見えてくると。

著者は最後に、戦略的に縮むための「未来のトリセツ」として10のステップを挙げられています。

1.量的拡大モデルと決別する

2.残す事業と辞める事業を選別する

3.製品・サービスの付加価値を高める

4.無形資産投資でブランド力を高める

5.一人あたりの労働生産性を向上させる

6.全従業員のスキルアップを図る

7.年功序列の人事制度をやめる

8.若者を分散させないようにする

9.「多極分散」ではなく「多極集中」で商圏を維持する

10.輸出相手国の将来人口を把握する


いかんともなく進む人口減少の中で、
社会システムをそれに耐えられるものするためにも
ある程度の経済規模(周辺自治体も含め人口10万人程度)をもった
大半の業種が存続可能な商圏が維持することが肝要となってきます。

現在、ICT等の新技術を活用したSociety5.0を謳うスマートシティが実験の場として試みられていますが、その一つの解答となるでしょう。