マンション問題『生きのびるマンション』

かっての日本住宅公団によって建てられた団地に住んでいます。
すでに築40年を超え、いろいろと問題が発生しています。
幸い緑にも囲まれ、近所にショッピング施設もあり、住環境は比較的良いところでいまなお入居希望者も少なくありません。

山岡淳一郎さんの『生き延びるマンション ――<二つの老い>をこえて』
という書籍で改めて学ばせていただきました。

「二つの老い」とは、「建物自体の老朽化」と、そこに暮らしている「住民の高齢化」
この二つの問題がわが国のマンション問題の根底に大きく広がっています。
また「2025年問題」、団塊の世代が一斉に75歳以上の後期高齢者になります。2025年には日本の総人口のおよそ2割が75歳以上になると推測されており、医療・介護分野での影響が懸念されています。

建物の老朽化に対しては、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が定められ、マンションを社会的資産として保全し、管理するように示されています。
わが団地では再来年には第3回目の大規模修繕が予定され、順次計画が進められています。
幸い人財にも恵まれ、管理組合が比較的しっかりしていて着実に管理・運営が進められていますが、それでも理事のなり手不足は絶えず議論に上がります。

住民の高齢化の中で、今後の認知症居住者の対応や、相互の支援・かかわり方、子育て世代との交流など、課題は常に存在します。

維持管理にあまり関心がない住民のなかで、コミュニケーションの場をいかに作っていくか、
いろんなひとが参加できる機会を少しずつでも増やしていくことが大切なポイントとなります。

個人的な「私としての自由」と、
コミュニティとしての「共同体の役務」を
いかに折り合いをつけ、「少しでもいい方向へ」と向かって、住民の意識が目覚めるコミュニティ

人口減少社会で、住宅を社会的資産に昇華させ、いかに長く住み継いでいくか
わが団地でも少数の有志を中心に、結論はなかなか見つかりませんが定期的に検討されて続けています。

books

前の記事

三度目の日本