鳴門市市民会館 じゃあ、ね。

恩師の増田友也先生の初期の作品、鳴門市市民会館(体育館)が、新庁舎の建設に伴い惜しまれつつ解体されます。

鳴門市民会館内部

1961年(昭和36年)11月に落成し、
59年間に渡りローラースケートや卓球、バレーボールなどのスポーツを始め、市の行事や成人式、コンサートやプロレスなどさまざまな場面で使用され親しまれてきました。
解体されるのを前に「鳴門市市民会館アーカイブ事業」の一環としてアーカイブ展示が行われました。
この最後の機会に、Go to Travelを活用してお世話いただくスタッフの方々の招待もあり、見に行ってきました。

鳴門市市民会館外観

鳴門市庁舎(1963年)と市民会館(1961年)は2階オーバーブリッジで繋がれており、
鉄とガラスのファサード、青色の色調、建物の高さが揃えられ一体的な構成をなしている。
塩田跡地に建設され、新しい風景を生み出しました。
鉄・ガラス・コンクリートを用いた機能性と合理性を優先するモダニズム建築であるが、
素材の美しさを見事に表出しています。

鳴門市市庁舎オーバーブリッジ

市庁舎一帯は官公庁(警察署や裁判所等)が集まる「行政センター」として開発される予定で、
オーバーブリッジが空中で建物どうしをつなぐ先進的な都市づくりが目指されましたが、
現在は市庁舎、市民会館、共済会館だけが結ばれています。

市庁舎はコンクリート造ですが、隣の市民会館のファサードと連動するように鉄とガラスで構成され、
そのために構造は建物中央の2本の柱から梁を両側に張り出したキャンティレバーで、
軽やかな外観を実現させています。

鳴門市庁舎断面図

鳴門市民会館の59年間の軌跡を辿るアーカイブ展は
建設当時からの貴重なアーカイブ写真や映像、図面や建築写真など、
これまで歩んできた歴史とともに振り返り、
記録と記憶を繋げていく機会として催されました。

鳴門市民会館アーカイブ展感謝状