悲嘆反応・怒りからの「自粛警察」
関西エリアでも緊急事態宣言が解除され、
百貨店はじめ多くのお店が徐々にオープンされてきました。
少しばかり街の雰囲気も明るくなってきたようです。
今朝も阪急梅田本店で午前11時の開店を前に、長蛇の列ができていたそうです。
首都圏と北海道はまだ規制解除が見送られていますが。
このコロナの騒ぎで「自粛警察」というような言葉がネットやマスコミで話題になっています。
外出の自粛や休業の要請に応じていない商店街や店舗などに対して、
嫌がらせのような電話や貼り紙を貼るなどの行為が相次いでいます。
この閉塞状態からイライラがつのり、誰かにそのハケ口を求めているのでしょうか。
誰かを亡くしたりして悲嘆に暮れる反応のプロセスが多くの研究者により段階に分けて説明されています。
そのひとり、サナトロジー(死生学)や近代ホスピス運動の重要な牽引役であるキュブラー・ロス博士は、
がんの末期患者など死にゆく人々へのインタビューとその考察を通じて死を受け入れていく過程としての5段階モデル(死の受容モデル)を提示されています。
・第1段階 「否認」
「うそだ、信じられない!!」 大きな不安に襲われる段階。
「新型コロナなんて大したことない、大丈夫だよ」
今起きている状態を冷静に認められず、油断をしていた初期の段階でしょうか。
・第2段階 「怒り」
なぜ自分がこんな目に遭うのか、死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階。
この段階が「自粛警察」のような行動を引き起こすのでしょうか?
怒りのハケ口を求めて、他者を攻めることで正義といて自己の存在の確認をしようとしている。
・第3段階 「取引」
第1段階では悲しい事実を直視することができず、第2段階では自分以外の人間や神に対して怒りをおぼえ、その後「避けられない結果」を先に延ばすべくなんとか交渉しようとする段階に入っていく。
・第4段階 「抑鬱」
「やはり「死」は避けられないのだ」「やっぱりいなくなったんだ・・・」と、それまで部分的に否認してきた別れという事実を覚悟し容認せざるをえなくなる段階。痛烈な孤独感や不安感に苛まれ、すべてを失ってしまったという喪失感から、「かかわりをもちたくない」「ひとりになりたい」という気持ちになる時である。
・第5段階 「受容」
穏やかに死を受け止められるようになる段階。
このコロナ禍の事態がさまざまな様式に変化をもたらし、新しい生活様式に移行しつつあります。
それ以前からの働き方改革の流れと相まって、生き方自身を考えるいい機会を提供してくれているようです。