村上海賊の娘 和田竜

遅ればせながら、昨年の本屋大賞を受賞した『村上海賊の娘』
文庫本になっていた4冊ですが、このGW連休中に一気に読みました。

織田信長と一向宗大坂本願寺・顕如との戦いに、
毛利方の瀬戸内の大半を勢力下におさめた村上海賊の一党と、
織田方についた泉州の眞鍋海賊の豪胆な戦の模様を
心も内も含めて生き生きと描写されていました。

難波海(大阪湾)を舞台に木津川口の木津砦へと兵糧を運ぶ村上家の船、
それを迎え撃つ眞鍋七五三兵衛率いる眞鍋海賊のおおらかさ
「いてこましたらんかい」というような泉州弁の言霊、
この近辺で生まれた筆者にとってはなつかしい響きでした。

読んでいて塩野七生さんの『ギリシャ人の物語』の海戦場面が浮かんできました。
最後まで諦めない村上景(むらかみきょう)の姿、生き様が今の時代に輝いて見えました。

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