聖マタイ三部作 サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会

ローマのフランス人管轄教会サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会( San Luigi dei Francesi  )内のコントレー聖堂に掲げられている。カラヴァッジョにとっては公的な場でのデビュー作、且つ出世作であり、美術史上ではバロック美術への扉を開いた記念碑的作品。

聖マタイの召命
「聖マタイの召命」
聖マタイと天使
「聖マタイの殉教」

教会内のコンタレッリ礼拝堂の壁面には、正面に「聖マタイと天使」、左壁面に「聖マタイの召命」、右壁面に「聖マタイの殉教」が展示されています。それぞれの作品に差し込んでいる強い光の源をたどると、「聖マタイと天使」の上部にある窓に行きつきます。

「ロレートの聖母」 サンタゴスティーノ教会

現在サンタゴスティーノ教会の入り口付近にある、カヴァレッティ礼拝堂に所蔵される本作品は、聖母子の描かれ方が不適切であるという理由から裁判沙汰にまで発展し、カラヴァッジョは一時期を獄中で過ごすこととなりました。

「ロレートの聖母」

作品には、年老いた二人の巡礼者が聖母子の幻視を見た瞬間が描かれています。巡礼者と聖母子はほぼ同じ大きさで描かれており、まるで画面の中にいて聖母を見上げているような錯覚に陥ります。こうした臨場感あふれる表現もカラヴァッジョ作品の魅力です。