最強企業のメカニズム キーエンス解剖
平均年収のランキングで例年話題に上がるキーエンス。
東洋経済オンラインのランキングでは
第1位のM&Aキャピタルパートナーズの2688万円につづく
第2位 2182万7204円(22年3月期平均年収)でした。
大阪東淀川区に本社を持つ株式会社キーエンス
19974年に兵庫県尼崎市で「リード電気」として設立され、
1986年に社名を “Key of Science” に由来するキーエンス(KEYENCE)に変更されました。
業績は順調に成長し、株価も右肩上がりで伸長しています。
そんなキーエンスの成長の秘密に迫ったのが、日経ビジネス記者 西岡杏氏の
『キーエンス解剖 ― 最強企業のメカニズム』でした。
ここから学ばせていただきました。
Yahooファイナンス キーエンス チャート10年より
この10年間で売上高や営業利益を4倍前後に増やし、
2022年3月期 売上高は7552億円、
営業利益率55.4%という驚異的な数字です。
■そのは秘密は人が成長し、成果を出すための仕組み
・ロールプレイ1000本ノック
10~15分ほどで手短に毎日のように繰り返される(歯を磨く用に当たり前に)
・アポは1日5件から、1分単位で書き込む外出報告書(商談から5分以内で書く)
・一日の最後には
外報を使いながら、商談の状況と今後の方針を上司とすり合わせ
予め書き込んでいた翌日以降のミッションや訪問先について打ち合わせ
・直接営業による圧倒的な速さ
(販売代理店などを使わない)
・営業の中核に位置するSFA(営業システム)
日々の行動の記録
可視化している電話の件数や電話の時間などの取り込み
タブレットで記入した外報データの自動転記
外報等からの積み重なったデータの活用、情報共有
データ分析
キーエンスの事業構造のポイント(キーエンス解剖 P26より)
■目的意識を持った行動が成果を上げる キーエンス文化
・目的意識をはっきりさせる
・相手のロジ(兵站)を把握する
いつまでに何をすればいいのか、実務的な手順を明確にする
・目的に向かって最善を尽くす
「待ち」姿勢ではなく先へ先へと様々な想定をして顧客に伴奏し、顧客の仕事のサイクルを回す。顧客の潜在ニーズを具現化して顧客の仕事のスピードを上げ質を高める。
「目標意識、目的意識、問題意識を持って、前向きに行動する」という行動指針。
「キーエンス全体としてどれだけ顧客に役に立てるかがいちばんの目的なので、情報を外に出さないのはおかしい」
「あまり普通で取材しがいがないでしょう」とOBの言葉。
外報やロープレ、SFA、情報共有などわが社でも同じようなシステムが有ると思われる方が多いでしょう。
キーエンスが他社との大きな違いはそれらをどこまでも徹底的に突き進めたこと。
ロープレにしても日常的に歯を磨くように毎日の習慣にまで進めたこと
外報にしても1分単位で記入する習慣にしたこと
そして、顧客のニーズを捉え、価値を生むことを最大の目的としたことではないだろうか。