『直感を磨く──深く考える7つの技法』

『直感を磨く──深く考える7つの技法』 田坂広志・著

かってにメンターの一人でもある田坂広志さんの今までの著作を集大成したような
「考えるということ」について深く考えた著作でした。

直感と論理が融合した時、最高の思考力が生まれる

「論理思考」(ロジカルシンキング)は「考える」という技法の初級過程に他ならず
「深く考える」とは「論理思考」を超えた思考法を用いて考えること。
その究極にあるのが、「直感」を用いた思考法 とされています。

初級過程の「論理思考」と上級課程の「直感思考」の間に身につけるべき
中級過程の思考法として「5つ思考法」を取り上げ、「論理思考」「直感思考」と併せ「深く考える7つの技法」として述べられています。

我々の心の奥深くには 、「大いなるもの」につながる「賢明なもう一人の自分」がいるとされ、この「もう一人の自分」との対話による直感思考について、自分自身の体験から語られる。ここから新しいアイデア、発明、クリエーションが生まれてきます。

以下、 語られているその技法は

深く考えるための「7つの思考法」

1.「循環論理」の思考法
    問題の「循環構造」を俯瞰しながら考える
2.「対立止揚」の思考法
    問題の「矛盾」を解決しようとしないで考える
3.「課題回帰」の思考法
    橋のデザインを考えるのではなく、河の渡り方を考える
4.「水平知性」の思考法
    専門知識で考えるのではなく、専門知識を横断して考える
5.「体験知性」の思考法
    本で読んだ知識ではなく、体験から摑んだ智恵で考える
6.「多重人格」の思考法
    自分の中に複数の人格を育て、人格を切り替えながら考える
7.「自己対話」の思考法
    心の奥の「賢明なもう一人の自分」と対話しながら考える

「賢明なもう一人の自分」と対話する「7つの技法」

1.まず、一度、自分の考えを「文章」に書き出してみる
2.心の奥の「賢明なもう一人の自分」に「問い」を投げかける
3.徹底的に考え抜いた後、一度、その「問い」を忘れる
4.意図的に「賢明なもう一人の自分」を追い詰める
5.ときに「賢明なもう一人の自分」と禅問答する
6.一つの「格言」を、1冊の「本」のように読む
7.思索的なエッセイを「視点の転換」に注目して読む

「賢明なもう一人の自分」が現れる「7つの身体的技法」

1.呼吸を整え、深い呼吸を行う
2.音楽の不思議な力を活用する
3.群衆の中の孤独に身をおく
4.自然の浄化力の中に見を浸す
5.思索のためだけに散策をする
6.瞑想が自然に起こるのを待つ
7.全てを託するという心境で祈る