“われわれはどこから来たのか” “われわれはどこへ行くのか”

『オリジン』 ダン・ブラウン

オリジン ダン・ブラウン

『オリジン』 ダン・ブラウン (越前敏弥 訳)角川書店

“われわれはどこから来たのか” “われわれはどこへ行くのか”

われらがハーバード大学の宗教象徴学専門ラングドン教授の元教え子の天才的未来学者エドモンド・カーシュが、上の2つの人類最大の謎を解き明かす衝撃的な映像を発表するという。
近未来的な演出を駆使した会場となるビルバオ・グッゲンハイム美術館のアトリウムにカーシュがスポットライトを浴びて登場した瞬間、彼は額を撃ち抜かれて絶命した。

ここからラングドン教授と美術館館長・アンブレラ、そしてカーシュが創り上げた人工知能ウィストンが発表されようとしてた映像を流そうと、謎に迫る物語がはじまります。

科学と宗教の争いが底辺にながれているダン・ブラウンの作品、その中で今回はいま話題に取り上げられることの多い、AI人工知能の驚異的な処理能力を利用させたりして科学と宗教の問題に現代的な視点から取り上げています。登場するグッゲンハイム美術館やサグラダ・ファミリア、カサ・ミラなど美術・建築作品に興味のある筆者にとっては、いつもながら魅了され、作品に流れるスピード感、知的興奮に刺激され一気に上下巻とも読み干してしまいました。

さて、われわれ人類はどこから来て、どこに行くのか?
AIの進化とともにどう深化していくのか。我々の手にかかっているのか?