ギリシャ人の物語Ⅲ Alexander the Greate

ギリシャ人の物語Ⅲ『ギリシャ人の物語Ⅲ 新しき力』を読了。

新しき力とはマケドニアに生まれ、インダス川まで東征したアレクサンドロス大王その人です。
グラニコス、イッソス、ティロス、ガウガメラ、ヒダスペスと大きな戦いを越え、ギリシャからペルシャ、そしてインドの一部までをも統制しギリシャ文明とローマ文明をつないだヘレニズム文化を遺しました。

アレクサンドロスの東征

出典『ギリシャ人の物語Ⅲ』挿入図より

戦いの時にはいつも愛馬ブケファロスに乗って先頭に立ち、危険を顧みず仲間たちとともにひし形の先頭に立ち敵陣に楔を打ち込んでいったアレクサンドロス。
横長の長方形で陣を組む歩兵に対して騎馬軍団が縦長の菱形のなって敵陣の楔を打ち込むこと敵の分断をはかるのがマケドニア軍の戦法の特色でした。
リーダーとしての立ち位置、全軍の司令官が前線に出て危険にさらされるのは問題だという意見もあったようですが、当時の常識を越えていたリーダーでした。

弱冠20歳でギリシャ世界を統一し、ペルシャ帝国の制覇へと向けて未知の地を突き進み、インドに至る大帝国を築き上げ、32歳で夭折した天才。青春の時代を駆け抜けてゆきました。
ローマ人の物語からギリシャ人の物語へ、塩野七生さんの最後の歴史長編と本人も語っておられます。